リゲッティ株 1ヶ月で165%急騰 量子コンピュータ関連に注目
10月に入り、Rigetti Computing(リゲッティ・コンピューティング)の株価が劇的な上昇を見せ、注目を一身に集めています。9月から10月にかけて、その株価は2倍以上に高騰。月間上昇率は165%にも達しました。リゲッティは量子コンピュータの開発を行う企業です。今回は、なぜリゲッティ株価が急騰したのかを解説していきます。
(本記事は、公開情報に基づく分析および筆者の見解を示したものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。株価や企業の将来を保証せず、また特定の政治的立場や政策を支持・推奨する意図も一切ありません。投資判断や経済的判断は、ご自身の責任で行ってください。)
目次
量子コンピュータ 実用性が現実味を帯びてきた?
商業も政府も契約発表
世界的な量子ブームと「後押しされた期待」
ただし、成熟にはまだ時間が必要
量子コンピュータ 実用性が現実味を帯びてきた?
この1ヶ月でRigetti Computing(RGTI : リゲッティ・コンピューティング)の株価は165%の急騰を見せています。
5人のアナリスト評価は「強い買い」となっています。(アナリスト評価は、特定の株式の取引を推奨するものではありません。)
株価上昇の最も直接的なきっかけとなったのは、8月の決算時に発表された同社の新たな量子プロセッサ「Cepheus-1-36Q」に関する技術的進展です。
このシステムは、36量子ビットという構成で設計され、量子コンピューティングの長年の課題であった誤り率を大幅に低減することに成功しました。従来モデルと比較して、2量子ビットゲートにおけるエラー率が半減し、99.5%という極めて高い忠実度が実現されたと発表されたのです。
つまり、量子コンピュータの「実用性」に一歩近づいたとして市場から高く評価されたということです。
量子コンピューティングの世界では、計算の正確性、すなわちエラーの少なさが極めて重要です。いくら理論上の性能が高くても、誤り率が高ければ実用には耐えられません。そのため、今回の発表は投資家にとって単なる技術ニュースではなく、量子コンピュータ実用化を予感させるものとなりました。
さらに、このCepheus-1-36Qは、リゲッティ独自の「チップレット・アーキテクチャ」によって構築されています。これは、小さなチップを複数組み合わせて構成するモジュール型の設計思想であり、将来的により大規模な量子プロセッサへと段階的にスケールアップすることが可能になります。
他社が一枚基板で性能向上を図る中、リゲッティはより柔軟性と拡張性のあるアプローチを選んでおり、その技術戦略も市場からの評価を後押ししました。
商業も政府も契約発表
技術面での進歩と並んで、Rigettiの株価を大きく押し上げたのが、商業的な成果と政府からの信頼を示す具体的な契約発表でした。
先月30日、Rigettiは9量子ビットの「Novera™」システムを2台、総額570万ドルで受注したと発表しました。これはまだ限定的な規模ではあるものの、量子コンピュータが単なる研究対象ではなく、すでに“売れる製品”になっていることを示すものでした。
加えて、このNovera™は量子ビット数を将来的に増やせるアップグレード可能な設計となっており、今後の展開を見据えた柔軟なシステム構成が評価を高めました。
その数日後には、米国空軍研究所(AFRL)との間で580万ドルの研究契約を獲得したことが報じられました。この契約では、オランダのスタートアップQphoXと連携し、超伝導量子ネットワークノードの開発に取り組むとのことで、まさに国家レベルでの研究開発の一翼を担う存在になったというわけです。
このように、「技術的成果が出始めた」「商業的な実績も生まれた」「さらに国家が支援している」という三拍子が短期間に揃ったことで、リゲッティの株は市場から爆発的な注目を浴びることになりました。
特に米政府が量子技術を国家戦略の中核と位置づけていることを考えると、リゲッティがその担い手のひとつであるという評価は、単なる民間企業を超えた存在感をもたらしたといえるでしょう。
世界的な量子ブームと「後押しされた期待」
リゲッティの株価上昇は、同社単独の力だけによるものではありません。2025年に入り、世界的に量子コンピューティング技術への関心が急激に高まりつつあります。NvidiaやMicrosoft、Amazonといった巨大テック企業が、相次いで量子技術に関する投資や研究開発の方針を発表しており、業界全体が大きく盛り上がりを見せています。
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さらには、デンマーク政府と製薬大手ノボノルディスクのオーナー企業が、量子スタートアップ支援のために3億ユーロ規模のファンドを設立したというニュースも重なり、世界中の資本が量子技術に集まり始めている空気が明確になってきました。
こうした「グローバルな潮流」に乗る形で、リゲッティのような純粋な量子コンピューティング企業への投資が急増したとも言えます。
市場全体の心理として、「量子の時代はもうすぐそこまで来ている」という期待感が支配的になり、その結果、将来の成長を先取りする形で株価が急騰したと考えられます。
ただし、成熟にはまだ時間が必要
しかし、これほどの株価上昇にもかかわらず、リゲッティの現在の収益構造にはまだ課題が残されています。2025年第2四半期の売上は180万ドルにとどまり、前年同期からは大きく減少しているほか、営業費用は2,000万ドル近くに達しており、いまだ赤字が続いている状況です。
もっとも、同社はこれまでに株式市場を通じて約3億5,000万ドルを調達し、2025年6月末時点で5億7,000万ドル以上の現金を保有しています。無借金で、当面の資金繰りには余裕があるとはいえ、こうした資金は既存株主の持ち株が希薄化する形で得られたものであり、投資家としては注意が必要です。
さらに、リゲッティの株価は現在、売上に対して約990倍という極端な水準で取引されています。
これは同業のIonQと比較しても3倍以上の倍率にあたり、いかに市場が“未来の収益”に期待しているかを物語っています。
とはいえ、専門家の多くは、量子コンピュータの本格的な実用化が現実になるのは2030年以降と見ており、それまでの期間は「技術はあるが収益が伴わない」という状態が続く可能性もあります。
今リゲッティが示すもの
Rigetti Computingは、まさに「未来を担うかもしれない企業」として、市場から大きな注目を集めています。技術的ブレイクスルー、商業成果、そして国家レベルの契約という三つの要素が重なったことで、同社は単なるスタートアップを超えた存在へと進化しつつあります。
ただし、いま市場が織り込んでいるのは、まだ到達していない「未来の姿」です。量子コンピュータ産業はどう転がるのか、誰にもわからない状況が続いています。
株価はその期待を先取りするように急騰していますが、企業としての成熟にはまだ道のりがあります。だからこそ、リゲッティに注目する人々には、その“夢”に惹かれるだけでなく、現実と向き合う冷静さも求められます。
ただ、新時代のコンピュータ革命が起こるかどうか、大きな注目が集まっていることは間違いありません。これからも注目していきたい産業です。
参考文献
Clifford, T. (2025, October 3). Quantum stocks pop as Rigetti Computing, D-Wave lead the charge. CNBC. https://www.cnbc.com/2025/10/03/quantum-stocks-rigetti-computing-d-wave.html
Motley Fool Staff. (2025, September 25). Is Rigetti Computing stock still a buy? The Motley Fool. https://www.fool.com/investing/2025/09/25/is-rigetti-computing-stock-still-a-buy/
Yahoo Finance. (2025, October 2). Rigetti Computing (RGTI) secures purchase agreement worth $10 million. Yahoo! Finance. https://finance.yahoo.com/news/rigetti-computing-rgti-secures-purchase-211600174.html
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