大統領選挙2024はいつ?株価や為替への影響と注目銘柄まとめ
2024年11月5日、アメリカ大統領選挙の投票日を迎えます。本記事では、大統領選における株価への影響や注目セクターと銘柄をわかりやすくまとめました。
2024年11月5日、アメリカ大統領選挙の投票日を迎えます。本記事では、大統領選における株価への影響や注目セクターと銘柄をわかりやすくまとめました。最新情報を元に、トランプ氏・ハリス氏の政策比較、株価が影響される理由を5つのポイントで解説します。
本記事では、米国投資アプリを運営するWoodstock経済部・山本が
両候補者の政策ってどんなものがあるの?
大統領選前後で株価にはどんな影響があるの?
大統領選2024で注目されているセクターや銘柄は?
という疑問を持った方に向けて、それぞれの政策、株価への影響、注目銘柄などをわかりやすく解説します。
(※本記事では現状を分析した筆者個人の見解を述べるに留まり、決して株価、為替相場の将来を保証したり、特定の政治的思想を支持するものではありません。)
目次
米大統領選挙2024、トランプ氏とハリス氏はどんな人物?
トランプ氏 : 元米大統領・実業家/ アメリカ第一主義
ハリス氏 : 初の女性副大統領 / 人権問題に関心のリベラル最新支持率。どちらの候補者が優勢?最新の支持率比較と動向
それぞれの候補者の政策比較。
3-1.トランプ氏の政策
3-2. ハリス氏の政策
経済に影響を与える5つのポイント
4−1. 米国連邦財政支出:財政赤字は更に膨らむ予想
4−2. GDPへの影響:識者「トランプ氏の政策は悪くない」
4−3. 物価 : インフレ再燃か?
4-4. 為替への影響:ハリス氏なら円高継続か。
4-5. 株式市場:注目されているセクターは?注目セクターの比較
大統領選で注目されている18銘柄まとめ
5-1. トランプ氏・ハリス氏の18銘柄まとめ
5-2. 関連銘柄の最新の動向
5-3. 関連銘柄はどこで取り扱ってる?
1. 大統領選挙2024、トランプ氏とハリス氏はどんな人物?
まずは、改めて両候補者がどのような人物なのか簡単におさらいしてみましょう。
トランプ氏は政治経験なしで第45代大統領に登り詰めた実業家、ハリス氏は司法省や上院議員などのキャリアを重ね、史上初の女性副大統領となった人物です。
1−1. トランプ氏 : 元米大統領・実業家/ アメリカ第一主義
1946年6月14日生まれ、ニューヨーク州クイーンズ出身の78歳。父親の不動産業を継ぐ形で実業家となり2017年から2021年までアメリカ合衆国第45代大統領を務めました。政治経験が一切ないにも関わらず大統領に上り詰めた、前代未聞の候補者です。「Make America great again (アメリカを再び偉大な国に)」をスローガンとし、アメリカ第一主義を掲げています。
1−2. ハリス氏:初の女性副大統領 / 人権問題に関心のリベラル
1964年10月20日生まれ、カリフォルニア州オークランド出身の60歳。父親はジャマイカ出身、母親はインド出身の移民2世として誕生。カリフォルニア州で検察官としてキャリアを重ね、2011年にカルフォルニア州司法長官に就任、2017年から2021年までカリフォルニア州選出の上院議員として活動した後、2021年、ジョー・バイデン大統領の副大統領として就任。史上初の女性副大統領となりました。中絶、移民などの人権問題への関心からリベラル色が強い候補者です。
2. どちらが優勢?最新の支持率比較と動向
米大統領選挙ではスイング州と呼ばれる、民主党と共和党の支持が拮抗している州が存在します。スイング州と呼ばれる州は七州あり、ペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州、ノースカロライナ州、ジョージア州、アリゾナ州、ネバダ州です。
逆に、スイング州以外の州は結果が投票前からある程度予測が可能であり、これらの七州の投票結果が最終的な選挙結果を決めると言っても過言ではありません。
ここでは、両候補者の現在の支持率をスイング州全7州に絞って分析してみました(表1)。
表1を見ると分かる通り、テレビ討論があった9月を境目に状況が大きく変わり、最新のデータ(10月19日現在)ではスイング州全七州でトランプ氏が優勢となっています。
また、表1のデータをもとに全州での支持率を比較すると表2のようになります。
最新のデータを見るとトランプ氏が優勢であるようです。ただ、表1 から分かるようにスイング州は勝利政党が変動しやすく、最後まで選挙の行方は分かりません。それぞれの候補者がスイング州での票を如何に積み重ねることができるかが選挙結果の鍵を握ります。
3.トランプ氏・ハリス氏の政策比較
現状トランプ氏が優勢のようです。
トランプ氏とハリス氏の政策について、共和党、民主党それぞれの政策綱領をもとにしながら具体的な政策内容を比較してみましょう。政策が与える経済への影響について分析をした上で、金融市場に対してどのような影響が予測されるかを深掘りしていきます。
以上が簡単なそれぞれの候補の比較です。
トランプ氏の政策は減税と規制緩和が柱となっています。「アメリカ第一主義」を掲げ、法人税率の引き下げで企業の競争力強化を強化し、規制緩和によりエネルギー産業や製造業に対する政府の制約を縮小、雇用創出を目指しています。トランプ氏はビジネスオーナーや高所得者層、伝統的な産業労働者に多く支持されています。
対してハリス氏は、より中間層や低所得者層に焦点を充てており、富裕層や企業に対する増税を提案し、医療費や教育費の削減、社会的な格差の縮小に焦点を当てています。自身の経済政策を「機会の経済(opportunity economy)」と呼び、「誰もが競争し、自身の子供のために富を築く機会を得て成功する真のチャンスを得ることができる経済を目指す。」と述べています。
4 経済に影響を与える5つのポイント
4-1. 米国連邦財政支出:財政赤字は更に膨らむ予想
次にそれぞれの政策が与える財政への影響を見てみましょう。
米議会の超党派機関である議会予算局によると、米国連邦財政収支について前年比で約13%の赤字幅拡大となる見通しを示しています。金利上昇による国債の利払いが増え、メディケアなどの歳出拡大が原因です。
両候補者の政策を踏まえると、財政赤字は更に膨らむことが予測されています。
トランプ氏が当選した場合、財政赤字は2026年から10年間で7.5兆ドル、ハリス氏が当選した場合、3.5兆ドル拡大する見込みだと言われています。
また、トランプ政権が2017年に導入した「トランプ減税」は2025年に期限を迎えます。このトランプ減税への対応が財政見通しに大きく影響し、トランプ氏とハリス氏の財政見通しに差を生み出す原因となっています。
トランプ減税とは、2017年12月に成立したアメリカの大規模な税制改革のことです。この改革の主な特徴は、法人税率を35%から21%に引き下げたことです。これにより、企業の投資を促進し、経済成長を狙いました。個人所得税も軽減されましたが、中低所得層への恩恵は限られていると批判の声もあります。
トランプ氏は、この「トランプ減税」の恒久化を目指しており、これが実現することで5.3兆ドルの財政赤字を進行させることになります。これは、先ほど述べた7.5兆ドルのうちの約7割を占めます。
対してハリス氏は年収40万ドル未満の世帯について、トランプ減税を引き継ぐとの姿勢を示している一方で、キャピタルゲイン課税(株式等の有価証券を譲渡した際に発生する所得に対する課税)を提案しています。このキャピタルゲイン課税は、年収100万ドル以上の投資家に対する税率を28%に引き上げる案です。税率を引き上げることにより財政赤字の縮小が予測されます。
財政赤字は国債の発行数が増え、債権価格が低下することから長期金利が高まるとされています。金利の上昇は株価への影響があるので要注目です。
4-2 GDPへの影響:識者「トランプ氏の政策は悪くない」
では、GDPに対する影響はどうでしょうか。名門ペンシルベニア大学ウォートンスクールによると、両氏の政策は将来的なGDPの低下を生み出すものの、トランプ氏の計画がGDPに与える影響はハリス氏よりも悪くないと結論づけています。
トランプ氏の政策の基、次の10年の前半では、GDPは増加、その後徐々に低下し、2034年には0.4%、30年間で2.1%低下するとしており、平均賃金は2054年までに1.7%低下するとの見立てを立てています。
一方でハリス氏の政策は、GDPを2034年までに1.3%、2054年までに4%減少すると予想し、平均賃金は2054年には3.3%減少するとみられています。
ただ、GDPに関する見立ては議会での承認が必要です。加えて、財政政策がどの程度実行されるかによって左右されるため、先行きが読みづらいことは事実です。
4-3. 物価 : インフレ再燃か?
物価への影響はどうでしょうか。筆者個人の予測では、トランプ氏当選の場合、インフレが再燃し、物価の上昇が起こると考えています。
関税引き上げによる輸入コストの増加、移民抑制による労働市場のインフレ発生と人手不足が起こる可能性が高く、また、米国は現在労働需要ギャップがプラスとなっており、労働力不足が進んでいます。
このような環境下では賃金の上昇につながりやすく、インフレの再加速によってはFRBも利下げを停止する可能性すら見えてきます。
ハリス氏当選の場合も積極財政と関税の引き上げによっては景気が加熱する可能性はあるものの、トランプ氏と比較するとインフレ再加速の可能性は低いと考えられます。
4-4. 為替への影響:ハリス氏なら円高継続か。
次に、為替の推移を予測してみたいと思います。
先ほどの物価のパートで述べた通り、トランプ氏が当選した場合インフレ圧力が高まり、米金利上昇を伴って円安へ向かうと考えられます。9月の雇用統計とISM非製造業景気指数を見ても、アメリカ経済の堅調さが見えており、政策金利の据え置き観測が強まってきていることも、FEDWatch(表3)から見て取れます。
トランプ氏の円安を危惧する発言が見られたものの、米国経済の堅調さとトランプ氏の政策を考慮すると、ドル高円安が進行することが予測されます。
一方でハリス氏が勝利した場合、バイデン政権との連続性から為替相場に対して特に大きな影響はないとみて良いでしょう。よって、ハリス氏勝利の場合、緩やかな円高傾向とみられます。
最近では石破首相の政策金利に対する発言と、米国経済の堅調さから日米金利差が縮まらないとの予測があり、緩やかに円安方向へ向かっていますが、長期的に見ると円高ドル安方向に動くと予測します。
また、ドル高に転じたとしても、トランプ氏勝利ほどのドル高とはならないと思います。
ただ、注意しなければいけないのはハリス氏勝利でも上院で民主党が過半数を獲得できないシナリオです。そのシナリオになった場合、FRBの利下げ姿勢から、ドル高との見方が強くなりそうです。
4-5. 株式市場:注目セクターの両者比較
株式市場は、どちらの候補が勝つかによって影響が出るセクターが大きく変わってきそうです。トランプ氏が勝利した場合、同氏の政策から有利となるセクターは金融、エネルギー、不動産、軍事、仮想通貨です。以
下のチャートでは、S&P500、金融セクターとしてJPMorgan chase (JPM)・赤紫、Bank of America (BAC)・緑、クリーンエネルギーセクターとしてFirst Solar (FSLR)・紫を比較しています。
チャートから分かる通り、前トランプ政権(2017年から2021年)下では、金融セクターが受ける恩恵は大きく、環境規制の撤廃等を政策に掲げていたことから、クリーンエネルギーセクターは厳しい環境に置かれていたことが分かります。
反対に、ハリス氏が勝利した場合に優位となるセクターはクリーンエネルギー、住宅、ヘルスケアです。以下のチャートは、クリーンエネルギーセクターとしてNextEra Energy (NÉE)・紫、住宅セクターとしてDR Horton (DHI)・赤紫、Lennar (LEN)・オレンジをS&P500と比較しています。ハリス氏が出馬を表明した7月の末を皮切りに、両セクターへの市場の期待感が高まっていることが分かりますが、10月末になり、トランプ氏優勢の状況となると期待感が薄れていることが分かります。
5.大統領選で注目されている18銘柄まとめ
最後に、新たな大統領が誕生した際に期待されている個別銘柄を紹介します。
トランプ氏が設立したメディアおよびテクノロジー関連の会社である、Trump Media & Technology、また同氏の政策から恩恵を受けるであろう、金融関連のJPMorgan Chaseとエネルギー関連のChevronが注目株として挙げられます。
反対に、ハリス氏が大統領になった場合、住宅関連のDR Horton、クリーンエネルギー関連のNextEra Energy、ヘルスケア関連のUnitedHealth Groupが挙げられそうです。
以下はそれぞれの銘柄の最新の動向です。(10月23日日本時間16時現在)
トランプ関連銘柄
トランプメディア・アンド・テクノロジー DJT 0.00%↑
トランプ氏が立ち上げたソーシャルメディアの運営企業。今年3月に上場。
米国ニューヨークに本社を置く、世界有数の金融コングロマリット。投資銀行、証券取引、プライベート・バンキングなど様々なサービスを展開している。
カリフォルニア州サンラモンに本社を置く石油企業であり、石油を中心としたエネルギー関連の商品を扱っている。
ハリス関連銘柄
テキサス州アーリントンに拠点を置く住宅建設会社。主に土地の取得、開発、住宅の建設と販売を行っている。
フロリダ州ジュノ・ビーチに本社を置き、北米最大の再生可能エネルギーインフラ企業である。
ミネソタ州ミネトンカに本社を置き、ヘルスケア製品と医療保険サービスを提供している世界最大のヘルスケア企業である。
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参考文献
RealClearPolitics
https://www.realclearpolitics.comみずほリサーチ&テクノロジーズ、みずほ銀行https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/industry/mra/pdf/vol030.pdf
American Century Investments
https://res.americancentury.com/docs/2024-presidential-election-policy-comparison-table.pdf
PENN WHARTON Budget Model
https://budgetmodel.wharton.upenn.edu/2024-presidential-election
CME Group FED Watch
https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.htmlForbes
IG Bank
https://www.ig.com/en-ch/news-and-trade-ideas/2024-US-elections-impact-on-stock-market-sectors-under-Trump-vs-Harris-241015
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