トランプ政権、イラン核施設攻撃 防衛関連株に注目集まる
先週22日、トランプ政権はイラン核施設の爆撃に成功したと報告しました。イスラエル支持を表明していたトランプ大統領ですが、明確な軍事加入をしたことで世界中が注目しています。攻撃に使用された「バンカーバスター」と呼ばれる超重量爆弾にも注目が集まっています。
本記事では、米国投資アプリを運営するWoodstock経済部が
トランプ政権がイランを爆撃した意図は?
米国市場への影響は?
影響がある個別株は?
ということについてわかりやすく解説します。
(本記事は、公開情報に基づく分析および筆者の見解を示したものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。株価や企業の将来を保証せず、また特定の政治的立場や政策を支持・推奨する意図も一切ありません。投資判断や経済的判断は、ご自身の責任で行ってください。)
目次
トランプ政権、イラン核施設を破壊と報告
「ミッドナイト・ハンマー」作戦
米国市場は調整売り警戒
先週に続きエネルギー、防衛セクターに注目集まる
注目されている個別銘柄
イランへの攻撃に関連したとされる防衛関連株
エネルギー関連イランはホルムズ海峡封鎖を承認と報道
【お知らせ】新規取扱11銘柄を追加しました!
トランプ政権、イラン核施設を破壊と報告
トランプ米政権は、日本時間6月22日早朝、イランの主要な核施設3か所(フォルドゥ、ナタンズ、イスファハン)への攻撃を成功させたと発表しました 。この軍事行動は、中東情勢に新たな緊張をもたらし、世界の金融市場、特に原油市場に大きな波紋を広げています。
トランプ大統領は今回の攻撃作戦について、「イランの核濃縮能力を破壊すること」が目的であり、必要ならさらなる攻撃も辞さないと明言しました。
イスラエルによる先制攻撃からトランプ政権の動きに注目が集まっていました。トランプ大統領は当初からイスラエルによる先制攻撃を支持していましたが、自身も軍事的対応へと方針を転換したようです。
攻撃対象はフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンといった主要施設で、イランの核兵器開発を遅らせることが狙いとされています。しかし一方で、専門家からは「逆効果の可能性」も指摘されています。すなわち、攻撃によってイランが核保有の必要性をより強く感じ、今後は国際的な監視の目を避けてより秘密裏に開発を進める恐れがある、という懸念です。
つまり、今回の軍事行動は短期的には核開発の妨げとなっても、長期的にはイランの核武装を促進し、核不拡散体制を揺るがす結果となる可能性も否定できません。
「ミッドナイト・ハンマー」作戦
2025年6月のイラン核施設攻撃は「ミッドナイト・ハンマー(真夜中の鉄槌)」と呼ばれ、米軍の高度な軍事技術持って実施されました。中心となったのは、ステルス性能と長距離飛行能力を備えたB-2スピリット爆撃機です。この爆撃機はレーダーに映りにくく、米本土から遠隔地まで給油なしで飛行できるため、敵の防空網を回避しながら攻撃を行うことができます。
B-2には、地中深くの堅固な施設を破壊するために開発されたGBU-57バンカーバスター(MOP)が搭載されました。この爆弾は13.6トンもの重量があり、強化コンクリートや岩盤を60メートル以上貫通し、地下で爆発します。バンカーバスターは非核兵器としては最高クラスの破壊力を持っています。報道によると、今回の作戦で初めて実践使用され、少なくとも6発が使用されたとされたとのことです。
また、B-2による爆撃に加えて、米海軍の艦船や潜水艦から発射されたトマホーク巡航ミサイルも使用されました。これらは長距離から高精度で地上目標を攻撃できるため、地下核施設以外の関連インフラも同時に標的とされたとみられます。
今回の作戦は、米軍がイラン本土を直接攻撃した初のケースであり、従来は回避されていた「直接軍事介入」の境界線を越えたとも受け止められています。これにより中東の地政学的リスクが高まり、今後の米・イラン関係や地域の安全保障環境に大きな影響を与えると見られています。
米国市場は調整売り警戒
米軍によるイラン核施設攻撃を受け、週明けの米国株は「調整売りが警戒される状況」にあります 。
中東情勢の悪化は、地政学的リスクを高め、投資家心理を悪化させます。これにより、投資家は株式などのリスク資産を売却し、金や債券といった安全資産へと資金をシフトする傾向があります 。
特に「原油急騰→米金利の急上昇」という展開になれば、高値圏にある米国株には短期的な調整売りの圧力が強まることが予想されます 。原油価格の上昇は、石油を原料とする製品や電力、ガソリン価格を押し上げ、ひいては物価全体の上昇(インフレ)を招きます。これを受けて中央銀行がインフレ抑制のために金利を引き上げるというメカニズムが働くため、市場は金利上昇を警戒します。
今夜のマーケットオープンに大きな注目が集まっています。
先週に続きエネルギー、防衛セクターに注目集まる
明確なアメリカの軍事介入により、先週に引き続きアメリカの防衛関連株とエネルギー関連株に注目が集まっています。
注目されている個別銘柄
イランへの攻撃に関連したとされる防衛関連株
ロッキード・マーチン(LMT)
先週、イスラエル軍がイランへの攻撃に使ったとされる戦闘機F35、F16の写真を公開したことで株価が上昇しました。ノースロップ・グラマン(NOC)
イラン核施設への攻撃には、米空軍が保有するB‑2スピリット爆撃機が使用されました。これら爆撃機はすべてノースロップ・グラマンが設計・製造した機体です。RTX(RTX)
トマホーク巡航ミサイルの主要なメーカーです。米海軍や潜水艦から発射されるトマホークは、地中深部の施設に精密打撃を行う能力を持つため、イランの核施設や関連インフラへの攻撃に直接関与しているのではないかと言われています。先週のイスラエルの攻撃後に株価が上昇しました。
エネルギー関連
中東情勢悪化による石油・エネルギー関連株に注目が集まっています。
エクソン・モービル(XOM)
シェブロンシェブロン(CVX)
コノコフィリップス(COP)
イラン、ホルムズ海峡封鎖を承認と報道
イランの国会が、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を承認したと、現地メディアが22日に報じました。これは米軍による核施設攻撃への対応とされています。ただし、実際の封鎖にはペゼシュキアン大統領が議長を務める最高安全保障委員会の承認が必要で、現時点で封鎖の実施は不明です。
また、最終判断には最高指導者ハメネイ師の意向が大きく影響すると見られています。アラグチ外相も封鎖を「選択肢の一つ」として排除しておらず、緊張が高まっています。
ホルムズ海峡は世界の原油の約3割、日本向けタンカーの多くが通過する重要ルートで、封鎖されれば世界経済に重大な影響が出る恐れがあります。
一方、アメリカのバンス副大統領は「イラン自身の経済も破綻する」として、封鎖は現実的ではないとの見解を示しました。イランに対し「交渉の場に戻るべきだ」とも強調しています。
中東情勢に再び軍事介入したアメリカですが、米国市場だけでなく原油価格高騰などによりさらなる世界的な影響が出そうです。
参考文献
CNN. (2025, June 18). Bunker-buster weapon explained. CNN. https://edition.cnn.com/2025/06/18/politics/bunker-buster-weapon-explained-dg
BBCニュース. (n.d.). 米軍、対地下施設兵器「バンカーバスター」使用の可能性に言及. BBC News Japan. https://www.bbc.com/japanese/articles/cvg9r4wyv4xo
BBC. (n.d.). Middle East conflict live updates. BBC News. https://www.bbc.com/news/live/cn7ze4vmk2pt
CNN.co.jp. (n.d.). 米、イランの中東拠点標的に攻撃か 関係筋「イスラエルとは無関係」. CNN Japan.https://www.cnn.co.jp/usa/35234459.html
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米国最大のウラン生産企業であり、クリーンエネルギーである原子力発電の燃料を供給しています。さらに、電気自動車(EV)や防衛技術に不可欠なレアアース(希土類元素)の国内供給網構築にも注力しており、中国への依存低減という国家戦略的テーマにも合致しています。ウラン、バナジウム、レアアースという3つの重要鉱物を扱う、米国のエネルギー安全保障を担うユニークな企業です。
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2. シェイク・シャック SHAK(Shake Shack Inc - Class A)
ニューヨーク発祥の「ファインカジュアル」レストランチェーンです。高品質なアンガスビーフ100%のバーガーやホットドッグ、濃厚なシェイクなどを提供し、ファストフードと一線を画すブランドイメージを確立しています。ドライブスルー店舗の展開や海外ライセンス事業を積極的に進めており、特に若者層から強い支持を得ています。積極的な店舗拡大による成長戦略が特徴です。
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3. カナダ・グース・ホールディングス GOOS(Canada Goose Holdings Inc)
カナダ発の高級アウターウェアブランドです。極寒地での機能性を追求したダウンジャケットで世界的に知られ、「メイド・イン・カナダ」の品質とクラフトマンシップがブランド価値となっています。近年はアパレルやフットウェアにも商品を拡大し、機能性とファッション性を両立させた「パフォーマンス・ラグジュアリー」ブランドとして、富裕層を中心に強い支持を得ています。
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4. エヴァ・テクノロジーズ AEVA(Aeva Technologies Inc)
自動運転の「眼」となる次世代センサー「4D LiDAR」を開発するテクノロジー企業です。独自技術であるFMCW方式により、従来のLiDARが苦手とする物体の「速度」を瞬時に検知できる点が最大の強みです。これにより、高速道路での自動運転など、より安全で高度な自律走行の実現が期待されます。自動車だけでなく、産業用ロボットやセキュリティ分野への応用も進めています。
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5. フット・ロッカー FL(Foot Locker Inc)
スニーカーを中心としたフットウェアとアパレルの世界的な大手小売企業です。北米、欧州、アジアなど20カ国で約2,400店舗を展開し、スニーカーカルチャーの中心的存在として知られています。先月大手スポーツ用品小売のディックス・スポーティング・グッズ(DICK'S Sporting Goods)による買収が発表されました。フットロッカーCEOは、今回の買収によりさらなるフットフロッカースニーカー文化の拡大が実現できるだろうと意欲を見せています。
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6. インタラクティブ・ブローカーズ・グループ IBKR(Interactive Brokers Gro-Cl A)
プロのトレーダーや機関投資家を主な顧客とする世界的な大手オンライン証券会社です。世界150以上の市場へのアクセス、業界最安水準の手数料、高度な取引ツール(API提供など)を強みとしています。特に、グローバルな視点で多様な金融商品をアクティブに取引する上級者に支持されています。
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7. シェニエール・エナジー LNG(Cheniere Energy Inc)
米国最大の液化天然ガス(LNG)生産・輸出企業です。テキサス州とルイジアナ州の沿岸に巨大な液化施設を保有し、米国の天然ガスを世界中に供給しています。特に、ロシア産ガスからの脱却を目指す欧州にとって重要なエネルギー供給源となっており、近年の欧州エネルギー危機を背景に業績を大きく伸ばしました。世界のエネルギー安全保障において重要な役割を担っています。
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8. グラナイトシェアーズ2倍ロングAMDデイリーETF AMDL(Graniteshares 2x Long AMD Daily ETF)
半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)社の株価の「日次」変動率の2倍のパフォーマンスを目指す上場投資信託(ETF)です。AMD株が1日で1%上昇すれば、このETFは約2%上昇するように設計されています。短期的にAMD株の大幅な上昇を見込むレベルの高い投資家向けのETFです。
画像出典:https://images.app.goo.gl/bGkHsmnRVCGuKgUB9
9. iシェアーズ ヨーロッパ ETF IEV(IEV iShares Europe ETF)
S&Pヨーロッパ350指数に連動する成果を目指す上場投資信託(ETF)です。このETFを一つ保有するだけで、英国やスイスを含むヨーロッパの先進国を代表する大手企業約350社に幅広く分散投資できます。ネスレ、ロシュ、ASML、HSBCなど、世界的に有名な企業が組み入れられており、国際分散投資を通じてポートフォリオのリスクを低減したい投資家に適しています。
10. プロシェアーズ・ウルトラプロ・ショートS&P500 SPXU(Prosh Ultrapro Short S&P 500)
米国を代表する株価指数S&P500の「日次」変動率のマイナス3倍のパフォーマンスを目指すインバース型上場投資信託(ETF)です。S&P500が1日で1%下落すれば、このETFは約3%上昇するように設計されています。米国市場全体が短期的に下落すると強く予測するレベルが高めの投資家向けのETFです。
11. SPDR ユーロ・ストックス50 ETF FEZ(SPDR Euro Stoxx 50 ETF)
ユーロ圏の主要優良企業50社で構成されるEURO STOXX 50指数への連動を目指す上場投資信託(ETF)です。フランスのLVMHやドイツのSAP、オランダのASMLなど、ユーロ圏経済を牽引するブルーチップ企業に集中投資することができます。ユーロ圏経済の成長に強気な見方を持つ投資家向けのETFです。