MPマテリアルズ株 13%の急騰 レアアース規制影響
先週10日、アメリカのレアアース採掘企業「MPマテリアルズ(MP Materials)」の株価が急激に上昇しました。中国がレアアース規制強化を発表し、対中関係に緊張が走ったことが発端となりました。
(本記事は、公開情報に基づく分析および筆者の見解を示したものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。株価や企業の将来を保証せず、また特定の政治的立場や政策を支持・推奨する意図も一切ありません。投資判断や経済的判断は、ご自身の責任で行ってください。)
目次
レアアース事業 MPマテリアルズとは
きっかけは中国のレアアース規制
MPマテリアルズ株は13%の大幅上昇
ただし、成熟にはまだ時間が必要
レアアース事業 MPマテリアルズとは
注目が集まるMPマテリアルズ(MP)とはどのような企業なのでしょうか。
まず、最新の株価を見てみましょう。時間外で8.37パーセントの上昇をしており、注目が集まっていることがみて取れます。
また、10人のアナリスト評価は「買い」となっています。(アナリスト評価は、特定の株式の取引を推奨するものではありません。)
MPマテリアルズは、アメリカ・ネバダ州にある「マウンテンパス鉱山」を運営する企業で、主にレアアース(希土類)と呼ばれる重要鉱物を採掘・精製しています。レアアースは、たとえばスマートフォンの部品、自動車の電動モーター、風力発電、さらには軍用レーダーやミサイル誘導装置といった最先端の電子機器に欠かせない材料です。
特にアメリカにおいては、軍事産業や防衛技術にとって不可欠な資源であるため、経済だけでなく国家安全保障にも関わる、いわば「戦略資源」として扱われています。
そして注目すべきは、世界のレアアース供給の70%以上を中国が握っているという点です。しかも、採掘だけでなく精製や加工といった中流工程の大半を中国が独占しているため、アメリカやその他の先進国にとって、中国への依存度は極めて高いのです。
こうした背景の中、MPマテリアルズは「レアアースを自国で賄う」ための唯一の希望として、米政府からも大きな支援を受けています。今年の7月には米国防総省が同社に対して4億ドル(約600億円)を投資し、さらに今後のレアアース製品について一定の価格での買い取りを約束するなど、極めて厚い支援体制が取られました。
このようにMPマテリアルズは単なる鉱山企業にとどまらず、米国の経済的・軍事的自立を支える戦略企業としての立場を築いています。
きっかけは中国のレアアース規制
そんなMPマテリアルズの株価急騰の直接の引き金となったのは、先週発表された中国のレアアース輸出規制の強化です。
中国商務省は10月9日、外国企業が中国からレアアース製品を輸出する際、新たにライセンス取得を義務づける制度を導入すると発表しました。これにより、アメリカや他国の企業が中国で加工されたレアアースを手に入れることが、これまでよりも難しくなることが予想されます。
この措置に対して、アメリカのトランプ大統領は10日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「中国はとても敵対的だ」「世界を人質に取ろうとしている」と強く非難。
加えて、中国からの輸入品に対して100%の追加関税を課すこと、さらには中国の習近平国家主席との首脳会談のキャンセルの可能性まで示唆しました。
このように、米中関係は再び緊張状態に突入。市場では、「貿易戦争の再来か」との警戒感が広がりました。
S&P500などの主要株価指数は最大2.7%の下落を記録し、市場全体が不安定な様子を見せました。
MPマテリアルズ株は13%の大幅上昇
一方で、地政学的リスクが高まる局面で需要が増す資源関連株や、アメリカ国内で供給が完結する企業には買いが集中し、MPマテリアルズ株もその流れに乗りました。
中国がレアアースの輸出規制を強化したことで、世界中の企業がレアアースの調達に不安を抱きました。特にアメリカ企業にとっては、中国からの供給が断たれた場合の代替手段が必要になります。そんな中、国内でレアアースを採掘・供給できるMPマテリアルズの存在価値が一気に高まったということです。
さらに、アメリカ国内で「重要資源を自国で確保すべきだ」という機運が高まっていることも、同社にとって追い風です。
金やウラン、半導体などの戦略物資を扱う企業の株価も、同様に堅調な動きを見せています。
レアアース規制の行方は?
中国のレアアース輸出規制は、すぐに全面施行されるわけではなく、実際に施行されるのは12月以降とされています。つまり、それまでの間に米中が何らかの合意や協議に至る可能性もあるということです。
米戦略国際問題研究所(CSIS)の専門家グレースリン・バスカラン氏は、今回の規制が単なる経済制裁ではなく、アメリカの防衛産業を明確に標的にした点に注目しています。これがトランプ政権の反発を招いているのは言うまでもなく、両国の交渉は難航することが予想されます。
ブルッキングス研究所の中国専門家ジョナサン・チン氏は、「習主席は今後の交渉で主導権を握るために動いている」と指摘し、中国側には痛みに耐える覚悟があると分析しています。つまり、中国はアメリカの報復措置をある程度想定した上で今回の規制を導入した可能性が高いのです。
懸念されるのは「サプライチェーンの寸断」
今回の騒動は単なる貿易摩擦にとどまらず、産業の根幹を揺るがす供給リスクを世界中に突きつけました。特に、電気自動車やスマート家電といった先端分野において、レアアースの安定供給は死活問題です。
米中対立がさらに激化すれば、フォードのように一時的に生産停止に追い込まれる企業も再び現れるかもしれません。そうした中で、MPマテリアルズのように「自国内で供給できる体制を持つ企業」の価値はこれまで以上に評価されるかもしれません。
トランプ大統領がは今後どのように対応していくのか。
米国市場に大きな影響をもたらすレアアース規制には今後も目が離せません。
参考文献
Siu, Twinnie. 「中国、レアアースと関連技術の輸出制限強化へ-米中摩擦の火種再燃も」 Bloomberg.co.jp, 2025年10月9日。URL: https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-09/T3UBBTGOYMTC00 Bloomberg.com
Baptista, Eduardo. 「中国、レアアース規制報復巡り米を『偽善的』と非難 対抗措置示唆」 Reuters Japan, 2025年10月12日。URL: https://jp.reuters.com/markets/japan/YOMGLT5IQNM3JAJADSYM6WT2BU-2025-10-12/ Reuters Japan
Afanasieva, Dasha; Wu, Debby; Eastland, Maggie. 「米中対立再燃で半導体供給網に一段の不透明感-企業は混乱に備え」 Bloomberg.co.jp, 2025年10月11日。URL: https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-11/T3YDQ5GPFHS800
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レガシー・エデュケーション LGCY (Legacy Education Inc)
レガシー・エデュケーションは、米国カリフォルニア州を拠点とする営利目的の教育機関です。看護、超音波技術、歯科助手といった需要の高い医療分野に特化した専門職学位や卒業証書プログラムを提供しています。傘下に複数の認定校を運営し、学生や社会人が実践的なスキルを習得し、キャリア目標を達成できるよう、質の高い教育を手頃な価格で提供することを目指しています。
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ブリッシュは、機関投資家や上級トレーダーに特化したグローバルな暗号資産(デジタル資産)プラットフォームです。高い流動性とコンプライアンスを最優先し、スポット取引、デリバティブ、資産管理サービスなどを提供。従来の金融機関の信頼性と最先端技術を融合させ、安全な取引環境を構築しています。ニュースメディア「CoinDesk」も傘下に持ち、取引インフラと情報サービスを組み合わせた独自のビジネスモデルが特徴です。
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オンダス・ホールディングス ONDS (Ondas Holdings Inc)
自律型ドローンと産業用ワイヤレス通信技術を提供する企業。鉄道、電力、石油・ガスなどの重要インフラ向けに、遠隔監視やデータ収集を可能にするソリューションを展開。ドローン事業では、米連邦航空局(FAA)から認可を受けた自動飛行システムも提供しており、産業の自動化と効率化を推進しています。
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ジェミニ・スペース・ステーション GEMI (Gemini Space Station Inc)
ウィンクルボス兄弟が設立した米国の暗号資産(デジタル資産)取引所。個人投資家から機関投資家まで幅広い顧客に、ビットコインやイーサリアムなどの売買、保管、ステーキングサービスを提供。規制遵守を重視し、高いセキュリティと信頼性を基盤に事業を展開。NFTマーケットプレイス「Nifty Gateway」も傘下に持ちます。
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サイファー・マイニング CIFR (Cipher Mining Inc)
ビットコインのマイニング(採掘)と、AI(人工知能)などに使われるハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)向けのデータセンターを運営する企業。当初はマイニング事業が中心だったが、近年はAIの需要拡大を受け、HPCホスティング事業へ戦略的に多角化。大規模かつ効率的なデータセンター運営能力を強みとしています。
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フルエンス・エナジー FLNC (Fluence Energy Inc)
再生可能エネルギーの安定供給に不可欠なエネルギー貯蔵システムをグローバルに提供するリーディングカンパニー。シーメンスとAESの合弁事業として設立され、大規模な蓄電池システムに加え、AIを活用した運用最適化ソフトウェアや保守サービスも展開。電力網の安定化とクリーンエネルギーへの移行を支える重要な役割を担っています。
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みなさんご存知、世界的に有名なイタリアの高級スポーツカーメーカー。F1レースでの輝かしい歴史を背景に、卓越した性能とデザイン性を持つ自動車を製造・販売。意図的に生産台数を制限する希少性戦略により、非常に高いブランド価値と収益性を維持しています。単なる自動車メーカーではなく、世界中の富裕層を魅了するラグジュアリーブランドとして確固たる地位を築いています。
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ザ・チーズケーキ・ファクトリー CAKE (The Cheesecake Factory Incorporated)
米国を中心に展開する人気のカジュアルダイニングレストラン。250種類以上の豊富なメニューと、30種類を超える名物のチーズケーキが特徴。幅広い客層のニーズに応えることで、グループでの利用客に強く支持されている。レストラン事業に加え、自社工場で製造したケーキを外部にも販売するベーカリー事業も展開しています。
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(9/11)
ブルックフィールド・インフラストラクチャー BIPC (Brookfield Infrastructure Corporation)
公益事業、運輸、エネルギー、データ通信など、社会に不可欠なインフラ資産を世界中で所有・運営する企業。有料道路、港湾、パイプライン、データセンターといった生活の基盤となる資産に投資し、長期的かつ安定的な収益を生み出すことを目指しています。
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アメリカン・ステーツ・ウォーター AWR (American States Water Co)
カリフォルニア州で水道・電気事業を運営する公益企業。また、全米12カ所の米軍基地において、50年間の長期契約に基づき水道・下水施設の管理サービスを提供。規制に守られた安定的な事業基盤と、政府との長期契約により、70年以上にわたり連続増配を達成しています。
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(11/11)
パラマウント・スカイダンス PSKY (Paramount Skydance Corporation)
映画会社パラマウント・グローバルとスカイダンス・メディアが2025年8月に合併して誕生した、新しい総合メディア・エンターテインメント企業。『トップガン』や『ミッション:インポッシブル』シリーズなどを手掛けたスカイダンスの制作能力と、パラマウントが持つ豊富なコンテンツライブラリや放送網、配信サービスを統合し、業界での競争力強化を目指しています。
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