RIOTとAMDがAIデータセンターリース契約 株価急伸
ビットコインマイニング企業として知られる Riot Platforms(RIOT)の株価が急伸。背景には、半導体大手・AMDとの契約発表がありました。どのような契約で、なぜ株価が急伸したのか、わかりやすく解説します。
(本記事は、公開情報に基づく分析および筆者の見解を示したものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。株価や企業の将来を保証せず、また特定の政治的立場や政策を支持・推奨する意図も一切ありません。投資判断や経済的判断は、ご自身の責任で行ってください。)目次
RIOT、AMDとAIデータセンター契約
土地獲得、ビットコイン売却
マイニング企業RIOTは注目の的に
AMD側のメリットは?
RIOT、AMDとAIデータセンター契約
Riot Platforms(RIOT)がAMDとAIデータセンター契約を発表しました。
米国時間2026年1月16日(金)、Riotは、主要な不動産取引とデータセンター契約の詳細を発表。このニュースを受けて株価は上昇しました。
AMDはCPU/GPUの両方を持つデータセンター向け大手半導体メーカーで、AI計算に必要なGPUを含む供給拡大に力を入れています。そうした企業が長期契約で場所と電力を押さえに来た、という点が市場にとって強いシグナルになりました。
今回のAMDとの契約発表は「マイニング企業として注目」というより、大規模データセンター開発というニュースとして受け止められた点がポイントです。Riot自身も、これらの取引がビットコインマイニングを超えたデータセンター事業の加速につながると説明しています。
契約内容としては、Riotはテキサス州ロックデール拠点で、まず重要なIT負荷(critical IT load)25MWをAMD向けに提供。
納品は2026年1月に段階的に開始し、同年5月までに完了する見通しです。契約期間は10年で、Riotは想定収益を約3.11億ドルとしています。
この発表をきっかけに、RIOTの株価は大きく上昇しました。
合わせて、AMDの株価も上昇しました。
さらに、継続的な契約の可能性が示されたのも特徴です。
さらに契約には5年×3回の延長オプションがあり、条件次第で総額が拡大し得るとされています。またAMD側には、契約容量を将来的に最大200MWまで拡張できる権利も付与されています。
※MW(メガワット)は電力の大きさを表す単位。数字が大きいほど、そのデータセンターで使える電力が多く、結果としてGPUやCPUなどの計算機をより多く・安定して動かしやすくなります。AI/HPC向けは特に電力を食うため、MWは「どれくらい大きな計算拠点になり得るか」をざっくり見る目安として使われます。
土地獲得、ビットコイン売却
今回の発表で注目されているのが、RIOTが同時に進めた拠点整備です。RIOTはロックデール拠点の200エーカーの土地を完全所有として取得し、対価は9,600万ドルと説明しました。資金については、保有していたビットコインを約1,080BTC売却して充当する方針が示されています。
マイニング企業がビットコインを売ること自体は珍しくありません。しかし今回は、売却の使い道が、AIインフラ事業の前提になる拠点という点が注目されています。データセンターは、建物だけで成立するビジネスではありません。電力が引けるか、冷却できるか、回線が太いか、増設できる土地があるか——結局、こうした条件を満たす場所の希少性が価値になります。
そこでRIOTもロックデールの強みとして、700MWの系統接続、専用水源、ファイバー接続を挙げています。
AIデータセンターは、設備そのもの以上に周辺条件がボトルネックになりやすいため、この手のインフラが揃っている点が注目されます。
そしてその稼働時期についても具体的に発表されています。
RIOTは新築ではなく、既存施設を改修(レトロフィット)して対応し、2026年1月に提供開始、2026年5月に完了する計画だとしています。初期展開の改修投資(Capex)は8,980万ドルで、運営面では平均で年2,500万ドル程度のNOI(運営収益)貢献を見込む、といった数字も開示されました。
つまり市場は、近い将来に稼働する事業案件として捉えやすかったということです。
マイニング企業RIOTは注目の的に
マーケットが今回の発表に反応したのは、RIOTの見え方が変わったからです。
まず、RIOTの稼ぎ方が「ビットコイン相場頼み」だけではなくなりそうだからです。マイニングはビットコイン価格、採掘難易度、電気代で利益が大きくブレます。一方でデータセンター契約は、契約に沿って収益が入りやすく、見通しが立てやすい。市場はこの「収益が安定寄りに変わる可能性」を評価しました。
次に、相手がAMDだったからです。データセンター事業は「誰が借りるか」で信頼度が決まります。大手が最初の顧客として入ると、話が現実味を帯びます。
最後に、データセンターの不足も背景にあります。AIは大量の電力と冷却が必要ですが、データセンターはすぐに増やせません。RIOTはマイニングで電力・土地・設備を整えており、それがAI用途でも価値になると示したことで、見方が変わりました。
AMD側のメリットは?
AMDが今回の契約を結んだ理由は、AIや大量計算を増やすには「チップ」だけでなく、チップを動かすための電力と、置く場所(データセンター)が必要だからです。AI向けの計算は電気を大量に使い、熱も大きく出るため、電力・冷却・回線・運用のすべてがそろった環境が欠かせません。RIOTの発表でも、AMDが電力供給力や高密度対応といった条件を評価した趣旨が示されています。
もう一つのポイントはスピードです。データセンターを新築して電力を引くには時間がかかりますが、前述の通りRIOTは既存施設の改修で立ち上げる計画を示しており、AMDから見れば「時間を買う」形になります。必要なタイミングで計算能力を増やせるかどうかは、AI開発やサービス運用ではそのまま競争力につながります。
今後は、改修が計画通り進んで予定通り稼働するか、そして拡張・延長のオプションがどこまで具体化するかが注目されます。AI事業において、AIそのものの開発事業というより運用を支えるインフラ事業に注目が集まってきている様子が伺えます。
参考文献
Riot Platforms, Inc. (2026年1月16日). Riot Announces Fee Simple Acquisition of Land and First Data Center Lease with AMD at the Rockdale Site. Riot Platforms.
https://www.riotplatforms.com/riot-announces-fee-simple-acquisition-of-land-and-first-data-center-lease-with-amd-at-the-rockdale-site/Benzinga. (2026年1月16日). Riot Platforms Pivots To AI, Lands Massive Data Center Deal With AMD. Benzinga.
https://www.benzinga.com/trading-ideas/movers/26/01/49972815/riot-platforms-pivots-to-ai-lands-massive-data-center-deal-with-amd







