トランプメディア株価下落 SNS「Truth Social」を使ってみた
トランプ氏の運営するトランプメディアメディアテクノロジー(TMTG)の株価は下落が続いています。筆者がトランプ氏のSNSを実際に使い、体験を交え現状を解説します。
本記事では、投資アプリを運営するWoodstock経済部が
トランプ氏の運営するトランプメディアメディアテクノロジーTMTGってどんな企業?
TMTGが運営するSNS「トルゥース・ソーシャル」ってどんなSNS?
TMTGの将来性は?
という方への疑問を持った方に向けて、TMTGの紹介、運用するSNS、そして将来性について掘り下げていこうと思います。
(*本記事は現状を分析した筆者個人の見解を述べるに留まり、決して政治的思想の扇動及び、株価の将来を保証するものではありません。)
目次
トランプメディア株価下落 SNS「Truth Social」を使ってみた
トランプメディアテクノロジー(TMTG)の概要
1-1. TMTG設立の背景
1-2. TMTG株価の直近の値動きは?
「Truth Social」実際に使ってみた
2-1. 保守系アカウントが並ぶ
2-2. グループで政治的思想のフォロー
2-3. メディア配信機能「Truth +」
2-4. 敵陣営KamaraHQはどんなことを発信している?
TMTGの今後の見通しは?
3-1. TMTGの株価
3-2. 収益の仕組み・財政状況
3-3. TMTGの将来性は?
大統領選関連銘柄はどこで買える?
1. トランプメディアテクノロジー(TMTG)の概要
トランプメディアテクノロジー(以後TMTG)は、ソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social(トルゥース・ソーシャル)」を運営しており、従来のSNSの代替を提供することを目指しています。そして、元米大統領のトランプ氏は同社の大株主であり、株の57%を保有しています。
TMTG設立の背景
TMTGの設立は、トランプ元大統領が主要ソーシャルメディアプラットフォームから締め出されたことが直接的なきっかけとなりました。
2021年1月6日の米国議会議事堂襲撃事件後、Twitter(現X)やFacebookなどの主要SNSがトランプ氏のアカウントを停止したことを受け、トランプ氏は自身の支持者と直接コミュニケーションを取るための新たなプラットフォームの必要性を感じたようです。
TMTG株価 直近の値動きは?
「トランプ・メディア・テクノロジー($DJT)」は、2024年3月に株式上場を果たし、初日の時価総額は約80億ドルを記録しました。しかし、その後数週間で株価は50%以上下落しました。
先月10月も選挙戦の影響で大幅な伸びを見せましたが、10月30日以降下落傾向が続いています。
2. 「Truth Social」を実際に使ってみた
そんなトランプ氏のSNSですが、実は日本でも使用可能です。筆者は勝手に、アメリカに住む人専用のSNSだと思い込んでいたので、「え?使えるんかい!」と驚きました。 調査のために、早速インストールして使ってみました。
(*本記事はあくまでも調査報告であり、筆者個人の感想を述べるに留まるものです。特定の政党・候補者を支持する内容ではないことをご留意ください。)
Truth Socialを使用するには、通常のSNSと同様に、アカウント作成が必要でした。必要事項は、
アカウントID
生年月日(非公開)
メールアドレス
電話番号(認証コードが届く)
電話番号認証が必要となると、アカウントは一つしか作れないものと思われます。
認証まではスムーズで、すぐにアカウントが作成されました。
保守系アカウントが並ぶ
次のセクションにいくと、フォローするアカウントが表示されました。トップは当然のようにトランプ氏本人のアカウント。その他表示されている、Kamara HQ以外のアカウントは保守系のアカウントが並びます。とりあえずトランプ氏をフォローしておきました。
並んでいるアカウントそれぞれの簡単な経歴を見てみましょう。
Devin Nunes(デビン・ヌネス)
元カリフォルニア州選出の共和党下院議員。現在Trump Media & Technology Groupの最高経営責任者(CEO)として、Truth Socialを運営しています。強い保守的立場を取り、トランプ氏の支持者として知られています
Tyrus Smash(タイラス・スマッシュ)
FOX Newsのコメンテーター、プロレスラー。彼が保守的な発言をするFOX Newsは保守メディアとして有名です。また、彼はXなどでトランプ氏との対談動画を投稿するなど、彼を支持する姿勢が見えます。
JD Vance(J・D ヴァンス)
オハイオ州の上院議員で、共和党所属。J.D.ヴァンスは39歳の共和党上院議員で、元海兵隊員からイェール大卒の弁護士に。貧困層の白人社会を描いた著書で注目を集め、トランプへの批判者から支持者へと転向。2024年大統領選の副大統領候補に指名され、物議を醸す発言でも知られています。
Tucker Carlson(タッカー・カールソン):
元FOX Newsの著名なキャスター。昨年4月にFOXとの契約が解消され、話題となりました。彼がFOXから去ることが報道されると、FOXのクラスA株価は一時5.4%まで下落しました。これは実に、時価総額約5億700万ドル分が吹き飛んだことになります。当時の彼の人気の高さが伺えます。
また、2番目に位置するKamara HQというのは、大統領選候補のカマラ氏の公式キャンペーンアカウントです。つまり、トランプ氏からみれば敵陣営アカウントです。敵対するアカウントも停止させることはないようです。
グループで政治的思想のフォロー
次のセクションにいくと、グループ機能がありました。グループを作って、そこで意見を言い合えるようです。見たところ、政治的意見の投稿を行うグループが多いようです。
中身はホントにX(旧Twitter)みたい
さて、Truth Socialの肝心の投稿機能ですが、ユーザーは「Truths」(Xでいうところの、「ポスト」)で投稿ができ、他ユーザーの投稿を「ReTruths」(「リポスト」)することができます。また、Quote Truth(「引用ポスト」)もできるようです。
Xとは異なり、文字上限は1000文字と、長文投稿できるようです。
メディア配信機能「Truth +」
Truth Socialには、メディア配信機能「Truth+」があり、ライブ配信されているニュースをみることができるようです。
Truth+の機能について、公式Webサイトを確認すると、以下のように書かれていました
「Truth+では言論の自由が生き続けています。ここでは、信頼するニュースや、大手メディアがブラックリストに載せようとした番組や映画を視聴できます。
スマホ、パソコン、テレビ、どれで視聴しても、Truth+は14日間のインタラクティブな電子番組表、最大7日間の見逃し配信、ネットワークDVR、ビデオオンデマンドなど、トップクラスの機能を備えています。さらに、Truth+は専用のインフラで動作しており、自社のサーバー、ルーター、独自のソフトウェアスタックを持つため、大手テック企業によるプラットフォームのキャンセルが不可能です。
あなたの声を守り、自由を擁護するために作られたアプリで、お気に入りのチャンネルやコンテンツの拡充を楽しみながら、超高速ストリーミングを体験してください。」
- 公式サイト本文から引用 して翻訳
Truth+では、様々なメディアが配信されているようですが、トップページには主に保守系メディアが並んでいます。
Real America's Voice
インターネットベースのニュースネットワーク
保守的な政治コメンテーターや元政府関係者の番組を多く放送
トランプ支持者向けのコンテンツが特徴
Newsmax
1998年に設立されたニュースメディア
テレビ、オンライン、印刷媒体を通じて保守的な視点のニュースを提供
2020年の大統領選挙後、特に注目を集めました
OAN (One America News)
2013年に設立されたケーブルニュースネットワーク
トランプ前大統領を強く支持する立場を取っています
主流メディアとは異なる保守的な視点からニュースを報道
RSBN (Right Side Broadcasting Network)
2015年に設立されたインターネットベースのニュース組織
YouTubeを主な配信プラットフォームとして使用
トランプ前大統領の集会やイベントの生中継で知られています
America's Voice News (AWE)
保守系のニュースネットワーク
政治、文化、宗教に関する保守的な視点からのコンテンツを提供
ストリーミングプラットフォームやケーブルテレビで視聴可能
敵陣営KamaraHQはどんなことを発信している?
アカウント作成時に見つけた「Kamara HQ」のアカウントと投稿を見てみると、「Providing context(コンクストの提供)」と書かれています。
投稿内容は、主にトランプ批判のようです。
最新のポストでは、「ハリス氏とトランプ氏で同会場での参加者を比較すると、トランプ氏の時はガラガラ」ということを示唆する投稿がされていました。
この動画に関して真偽はわかりませんが、トランプファンの集まるTruth Socialではこの投稿に対し批判のコメントがたくさん寄せられています。敵陣営に乗り込んでいるのはハリス氏なので、当然と言えば当然の様子です。
以上が簡単なTruth Socialの機能と特徴です。
筆者個人の感想としては、トランプ陣営支持の保守派のためのSNSという印象は使用前と変わりませんでしたが、アプリの使い勝手やデザインはモダンで、サクサク動く質の高いアプリという印象を受けました。
私も少し試しただけですが、トランプ支持者への囲い込むためには有効な手段かもしれないと感じました。一方で、保守系で閉じているSNSと感じたため、ユーザーの拡大をどのようにしていくのだろうという疑問が残ります。
TMTGの今後の見通しは?
TMTGの株価 DJT 0.00%↑
先月30日には、TMTGの株価は54.04ドルまで上昇し、今年1月以来の高値を記録しました。先月28日から急伸が続き、9月下旬の最安値からは約4倍以上の上昇となっていました。しかし、30日のアフターマーケット以降下落が続き、過去5日間で27.53%下落しています(11月4日 15:18現在)。
同社の株価は米国で人気の賭博サイトでのトランプ氏へのオッズが指標となっており、その人気と連動して株価と変動していると見られています。
収益の仕組み・財政状況
収益の仕組みは、FacebookやInstagramと同様に、ユーザーのフィードに広告を表示する広告収入モデルを採用しているようです。2023年の収入は全て広告収入によるもですが、約5,820万ドルの純損失を計上しています。
2024年第2四半期(4-6月期)の収益は837,000ドル(約1億2,500万円)でした。しかし、会社は依然として赤字を計上しています。
TMTGの将来性は?
現在のトランプ・メディア・テクノロジー DJTの時価総額は約61億ドル。
一部のストラテジストは90億ドルに上る時価総額について、その実態からかけ離れていると指摘しています。
同社は「保守層向けのビッグテントなSNSプラットフォーム」として、主要SNSに不満を持つユーザーや広告主の獲得を目指しています。しかし、登録者数や1人あたりの収益など、一般的な業績指標は公表していない状況です。
SEC(米国証券取引委員会)に提出された文書によれば、今後の成長戦略として、Truth Social のストリーミングサービスの拡大、独自のコンテンツ配信ネットワーク (CDN)などが挙げられていますが、具体的な数値には言及されていません。
その他メディアも指摘するように、トランプメディアテクノロジーの株価はそのビジネスモデルや新機能で株価が上昇するというより、トランプ氏の支持率に大きく影響されます。そのため、ボラティリティは高く、予測することは困難と言えるでしょう。
米大統領選の投開票がまもなく行われます。大統領選に関連する銘柄は、選挙前後で大きく変動する可能性があり、注目されています。
大統領選関連銘柄はどこで買える?
大統領選関連銘柄は、Woodstockアプリで200円から購入可能です。
今回紹介したTMTGに加え、以下のように多数の銘柄を取り扱っております。
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また、大統領選に関して分析した記事も書いておりますので、是非ご覧ください👇
参考文献:
TMTG current repot https://ir.tmtgcorp.com/financials/sec-filings/
Investpedia: https://www.investopedia.com/how-truth-social-makes-money-8635271
ロイター 「トランプ氏SNS株急騰、米大統領選勝利オッズ上昇で」 : https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/MXDBVT6U75JBLB7T3U3BAB7QKI-2024-10-29/
「FOXの時価総額5億ドル強吹き飛ぶ-看板司会者カールソン氏退局で」https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-25/RTN6BZT0G1KW01
「Truth social」 公式サイト
https://help.truthsocial.com/truth-plus/introduction-to-truth-plus/