Weekly Bites! 🍩 vol.22 | 決戦のゴングはうち鳴らされた。Threads vs Twitter
赤コーナー: イーロン・マスク vs 青コーナー: マーク・ザッカーバーグ
目次
#CompanyUpdate
アプリの新バージョン1.1.28をリリースしました!今回のリリースで新しくなった主な点は、以下の通りです。
1. 購入時の表示金額を 1000 円, 10,000 円, 100,000 円に変更しました。(10,000 円単位の発注が最も多かったため。)
2. 企業情報ページに従業員数や本社情報などを追加しました。
3. 初回ログイン時に簡単にコミュニティに挨拶をできるファーストポスト機能を実装しました。
4. UI/UX の改善を行いました。
5. その他いくつかのバグを修正を行いました。
#今週の気になるトピック
決戦のゴングはうち鳴らされた。Threads vs Twitter
Weekly Bites Vol.22へようこそ!いつもの著者のブライアン・ユンに代わって、今日は代打の河本太輔がお送りします。今週の気になるトピックは、そうもちろん、Threadsについてです!
始める前に、念の為ですが、私たちの配信しているコンテンツは投資のアドバイスではなく、ここで述べることはすべて筆者の個人的な意見と調査に基づいており、Woodstockの見解を代表するものでもありません。個人的にポジションを保有している可能性もあります。WeeklyBites!に掲載されている内容は、あくまで情報提供のみを目的としていますのでその点ご理解ください。
さて、ひょんなことから、今週のWeeklyBites!を書くことになった。
いつもとはトーンが違うかもしれない。書くことは嫌いじゃない、何を言ってるのよく分からないくらいのJazzy Hip Hopでもかけて、淡々とリズムに合ってるのか合ってないのか、キーボードをたたくことで、自分の頭も、日々のモヤモヤまでも整理されて行く気がするからだ。でも、それが人に読んでもらうに値するかは分からない。いやどうなんだろう。世間体を気にしながら、言葉を慎みながら書いた方がいいか?そんなややこしいことを気にせずに筆を取れという話かもしれないが、僕にとっては骨の折れる、でも楽しい時間な気もしている、そう子供の頃、苦心してプラモデルを組み上げた時のように。というわけで、コンプラ?正当性?なんぞには耳も貸さないスタイルでまずはトライすることにした。(なので、作者 河本太輔の個人的な意見でしかないです、悪しからず!)
さて、今週はどんな一週間だっただろう。僕の周りではやっぱりこの話で持ちきりだった。周りというのも物理的な周りに留まらず、Wifiを通じた見えないネットワークが繋いでいる、友人たちやどこの誰とも知らない人たちも含めての周りだ。
スレッズ、7時間で1000万人が登録という驚異的なスピードでユーザーを増やし話題をかっさらったインスタグラムベースの新しいソーシャルネットワーク。META社(旧フェイスブック社)が満を辞して、世に放つ久々の新しいソーシャルメディア。こう聞くと何だかモッズやスキンズの如き、新手のイケてるパンク集団のようにも聞こえる。
もとい。
辞書によると、スレッドってのは糸だ。繊維がよられて糸になるように、会話と会話がおりなされてタイムラインができていく、それを象徴するのがあの蛇がうねったようなビジュアルなんだろう。
そのスレッズという名の新手の集団は、先週突如として現れた。いや実際には前からMeta社がTwitter対抗として出す出すと言われていたものだ。しかし、そのローンチ自体は意外にも、早められたような形で世に出た。(ように見えた。)イーロンマスク有するTwitterに一時的な閲覧制限がかかったり、バグが起きたり、青い鳥が柴犬に替えられて好き放題されるような状況が連発し、なんとなくみんなが、Twitterはオワコンなのか?俺たちのTwitterはどこへ行った?他のソーシャルに乗り換えるか?そんな雰囲気が漂い始めた矢先に、颯爽と“Threads”は登場した。“Twitter対抗”、“イーロンマスクへの挑戦状”、“久々の新しいソーシャル”などニュースバリューも伴ってテレビなどのメディアまでこぞって街の人たちに新しいスレッズに乗り換えますか?と質問を投げ、そんなの分からねーよという顔をした一般の方々が、“まぁみんな使うんだったら。”と当たり障りのない答えをしてみたり、何か物申す!的な何者かになりたい彼、彼女は物知り顔で”ここがすごいんですよね、でも日本では流行るかなー”なんて有識者ぶって語ったり、絶対にインスタやってないでしょなIT メディア専門家と名乗る人が、”これは使う側のリテラシーが求められますね”とそら何でもそうだろ的な回答を意気揚々と語るそんな大騒動。この世紀の大決戦。果たしてTwitterと、Threadsどちらに軍配が上がるのか。もういろんなところで、それこそみんなが我先にと、TwitterとThreadsの違いや、特徴を説明してるので、言うまでもないかもしれないが、ここでもおさらいのため、違いを見てみよう。
Threadsでは、
・最大500字投稿できる。
・投稿できる画像は最大10枚
・ビデオ投稿は5分まで
・URL投稿も可能(URLがあると閲覧数が伸びない模様ではある)
・ハッシュタグはない
・タイムラインにはオススメのみで、自分がフォローしていない情報も含めて表示
・アカウントの切り替えができないので、ログアウトする必要あり。(Woodstockのアカウントと自分のアカウント切り替えるのめんど!)
・リツイートではなく「再投稿」(リスレッドとでもいうべきなのか。)
このあたりが特徴だ。
BBCのTwitterとの比較が秀逸だったので、詳しくはこちらを。
参考: https://www.bbc.com/news/technology-66112648
さぁ、どうだろう!
「????」「で?」
「一緒やん。」
これが僕の一番初めの感想だ。
確かにUIは綺麗。サクサク動く。確かにそれぞれの機能は微妙に違う。でも、、、これは人が新しいというそのフレッシュさを抜きにして乗り換えるに値するくらいのことなのか。フレッシュネスバーガーがフレッシュネス抜きになった時にも戦える代物なのか?
ネットワーク効果、ネットワーク外部性という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれない。要は他のあいつもこいつも使ってるから僕も、私も使う!そしてその他のあいつやこいつが多ければ多いほど、これは効力を増していく。元祖ネットワーク効果と言われる電話がそれだ。ユーザーが二人しかいなかったときはインタラクションは1しか起きないが、ユーザーが2→5→12と増えるにつれて、インタラクションは1→10→66と指数関数的に増えていく。グラハム・ベルがこのネットワーク効果がソーシャルメディアに活用されるなんて想像もしてなかっただろうが、これがネットワーク効果だ。
(どうでもいい話だけど、いまだに何でここで喋った声が、あちらの世界で聞こえてるのかについては、一度誰かに教えてもらいたい。ここで私が喋った声を音程ごとに分解して、その情報を伝えて、それをデータとして受け取ったあちらの世界の電話がその音程ごとのパーツを組み直して私の声を再現していると信じているわけだが、だとしたら、一回バラバラにされた私の声を模型的に作り直しただけであって、それはリアルな声では無いのではないかという疑念をこの何十年も持ち続けている。)
そんな話は置いて置いて、ソーシャルメディアに一番必要なのは、それはそうなんだけど、ユーザー数というわけだ。今のイーロン体制でTwitter CEOを務める、リンダ・ヤッカリーノさんはこう言ってる。
“サービスは真似できてもこのコミュニティが真似できない限りは難しいよ”
We're often imitated -- but the Twitter community can never be duplicated.
https://twitter.com/lindayacc/status/1676965566597464065
実際にはどうだろう。わずか7時間で1000万人が登録し、初速は悪くないどころか、ぐんぐん伸びている。マークのWowに象徴されるくらいの好スタートだ。しかももう7000万人まではいってるようだ。
https://www.threads.net/t/CuXCjGVrd6R/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==
本当に民族大移動がこれから先もTwiiterからThreadsに起こるのであれば、それは、毎日使うユーザーもネットワーク効果でどんどん増えるだろう。僕だってそうだ。みんなが使ってる場所、みんながポストする場所だからこそ、多くの情報が手に入るし、いろんな視点の意見が仕入れやすい。まずはこのユーザー数でTwitterを超えられるかが一つのマイルストーンだろう。インスタのMAUが20億と言われていて、Twitterは4-5億。つまりインスタの10人に3人が、スレッドすれば数字的にはいいわけだ。(スレッドする。意外と悪くない表現だ。)ユーザーはインスタと同じ名前を使えるし、インスタでフォローしているアカウントをスレッズでも簡単にフォローできるのでインスタさえ持ってれば登録もものの数分だ。その後もインスタとThreadsを行ったり来たり簡単にできちゃう。
ちなみに日本という国はTwitterが大好きな国で、世界でもアメリカに次いで2番目に使われている国だ。これには諸説あると言われているが、元々、140文字の中に書くのに、mountainが7文字なのに対し日本語だと山の一文字なので、制限の中でもたくさん書けるとか、アメリカみたいに車通勤じゃなくて、みんな電車通勤で手が空いてるからそこで広がりやすかったとか、国の中で時差がないから、同じ情報を同時刻にシェアできるリアルタイム性が受けてるとか、2ちゃんねる文化が下地になってるとか、いろんな説がある。正確には非公開だが、少なくとも日本では5000万人くらいのアクティブユーザーがいるとされている。この数字が日本では、Threadsにとっての一つのマイルストーンだ。
次に情報の質についてはどうだろう。私がかつてTwitterに在籍していた頃、Twitterの広告を売るという仕事をしていたわけだが、その時、TwitterとInstagram (or Facebook)との違いを広告主の皆様にこんな言葉で表現していた。
「Instagram/Facebookは”Look at me (私を見て!)”で
Twitter は”Look at this(これ、見てみて!)”なんです。」 と。
つまり、ユーザーがアプリを使う時の気持ちとして、私のことを見てほしい、つまりは承認欲求を満たすことを主目的で使われるのが、Instagram/Facebookで、これは、リアルな友人関係をベースにしたプラットフォームだからこそ、成立する。自分のことを知ってる人に、毎日のちょっとあったいいことや、自分の新しい髪型、最近手に入れたレアなスニーカー、こんなすごい事できちゃったぜをみんな自慢したいというわけだ。一方で、Twitterはというと、匿名で登録するのが日本だとベースになっていて(実はアメリカだとそうでもなかったりするのだが、)匿名性が故に、自分の知ってる人に自分のことを自慢するのではなく、誰から聞いても面白いネタ的なことだったり、最新のニュースだったり、世の中で起きていることをみんながどんどん発信する。ソーシャルネットワークというより、ユーザーそれぞれが記者となって発信するニュースメディアに近い。よくよくアプリカテゴリを見てほしい。その証拠に、Twitterはソーシャルメディアではなくニュースカテゴリに分類されている。
例えば、朝の電車が遅延している時に、”小田急線 遅延”って調べるのは僕の定型動作だし、地震大国日本で、ちょっと揺れを感じられたら、すぐにみんなが”地震!”とツイートする。これはインスタでは起こらない。そもそも何の写真をアップしていいのかすら想像がつかない。揺れてるコップの水の動画をおしゃれにポストなんてできない。じゃあThreadsではどう振る舞えばいいのだろう。 元々の作りがインスタグラムをベースにしている。つまりはリアルな現実世界でのソーシャルグラフに基づいて、フォロー・フォロワー関係が構築されている。そして、Jack Dorsey(前Twitter CEO)もツイートで揶揄ってたように、次のようなデータが収集される可能性がありますよともしれっと書いてある。
さすが、この新進気鋭のスレッズ軍団は、実名ベースのフェイスブック運営、メタ社のアプリ。あらゆる情報がしれっと運営側に渡る。それを承知で使わなければならない。まぁ一方で、生活していたら、僕なんて家に表札までつけて名前を自らアピールしてるわけだし、その横にはご丁寧に住所まで書いてある。もちろんマスクもそろそろ外して顔出して歩きまわってるし、至る所で名刺も配ってる、生活の中で情報を切り売りして生きているのと何が違うんだと言われればそんな違わない気もする。
でもメタ社はこれらの情報をベースに、ターゲティングして広告を出して、その収益で事業を行うわけだ。
その昔、公聴会に呼ばれたマークザッカーバーグに対して、ユーザーからお金を取らないでどうやってプラットフォームを運営しているの?とトンチンカンな質問をされ”Seneator, We run ads.(議員、広告収入があるんです。)”と答え、ミームになったのを覚えてる人もいるかもしれないが、基本的に、FacebookやTwitterだって、広告収入がメインの収益だ。タイムラインにこっそり忍ばせてあるので、ネイティブアドなんていう人もいるが、いくつかの投稿の間にしれっと入ってくるあれだ。一見普通のコンテンツのように見えるし、嫌だったらサッとスクロールしちゃえばいいので、YouTubeの強制的な視聴のようにユーザーに嫌がられることもそこまでなく、それでいて、細やかにターゲティングできるので、広告を出したい人(広告主)にとっても使いやすかったりもする。
利用者層データ(年齢・性別・学歴・役職など)、位置情報(都市・国・コミュニティなど)、行動(購入履歴のような消費者行動に基づく)、興味・関心(スポーツ・映画・買い物・ビジネスなど)、つながりなどこういった情報が、あなたのソーシャルメディア上での行動から収集され、それをもとに企業側はターゲティングしてそれぞれのタイムラインにカスタマイズした広告を出すのだ。裏の仕組みはこんな感じだ。
Facebook/Instagram: 「お、なんか、なんとかだいすけっていう調子いい感じのおじさんがアプリにログインしたぞ!このおじさんに広告出したい人いる?」
広告主A:「ちょうどこのおじさん向けの洗顔フォームの広告があります!うちはXX円で入札します!」
広告主B:「なんかスニーカーの投稿にいいねよくしてるから、うちの靴の広告出したい!XX円で入札します!」
とオークションが始まる、そんで持って基本的には高い入札額の広告主が落札し、広告を出せるという感じだ。(ただし、関連性スコアというものが掛け合わせで考慮されるため、必ずしも入札額が高くても、このユーザーに関連性の低い商品であれば、オークションに負けることもある。)広告を出せる枠は限られてるから、そこにどれだけ効果のある広告を出せるかどうかが競争優位性を生むのであって、そのために上記のような個別ユーザーの細かい行動情報があれば、より広告枠を効率的に効果的に使えるのだ。(その正確性を持ってしても、”絶対に儲かる!”みたいな広告が私のタイムラインに流れるのはなぜなんだろう。そんでもって詐欺広告と知りながらもタップしちゃいたくなるのはなぜなんだろう。)
話が脱線してしまった。Threadsではどんなポストをすべきなのかについての話だった。この何でもかんでも情報が漏れうるこのプライバシーナッシングな環境、実名ベースの関係値の中で、文字ベースでタイムラインにビシっと放り込むに適した情報は何なのか。こんないいレストラン行っちゃったぜイェーイが正しいのか?うむ、なんか違う。世の中の最新のニュースに物申すのがいいのか?でもそれ見るのはほとんど現実の友達なんだとするとちょっとやだな。結局猫の動画を上げとけばいいのか?それじゃ意味ない。じゃあ正解は何なのだ。果たしてこの投稿で大丈夫なのか? (笑)
https://www.threads.net/t/CuYP6V5SSeV/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==
あまり好きな表現ではないが”リア充”と定義されるようなインスタに生息してきた種族とこれまでの日本のサブカル的なある種の匿名的オタク文化が育ててきた、2ちゃんねる、Twitterの種族は、決して同じではない。もちろん両側面兼ね備えた人もいる。しかしながら、ここ日本においては、両種族のインターセクションを発明しない限りは、混ぜるな危険をやろうとしているようにも見え、個人的にはこれはあまりうまくいく気はしない。根源的欲求としての、誹謗中傷を含む心情の吐露の受け皿としてのTwitter。Threadsの現実の人間関係を引きずる非匿名文化の中で果たしてそれができるか。無論、できない。しのごの言わずになんでも投稿すればいいじゃんって声も聞こえてきそうだが、タイムラインというものはやっぱり、そこに生息する数々の意志の集合的記憶として、それぞれのプラットフォームごとに間違いなくある種の型を持っている、というか持たされている。この辺りをMetaはどう考えているのか、どう使って欲しいのだろう。まずはインスタグラムからのインフルエンサーに使い続けてもらうことがキーとなるんだろうが、どう彼らの投稿したいというモチベーションをどう起こすのか。これまでのインスタは人間の”ルックアッミー”的根源的承認欲求が、それを突き動かしていた。文字ベースのLook at me は正直なかなかにむずい。綴れない。やっぱりとにかく今起きてることを知りたい!Look at this なのか?なら時系列タイムラインが必要だ。今ここで、私が能書きを垂れるよりももっと、もっと深く、長い議論がメタ社では行われてきたはずだから、ここで僕がちょっとしたしたり顔で、Threadsはこう使うべきなんです、こういう投稿が望まれてるんです。なんて、あのIT評論家みたいに語ることなんてできないわけだけど、でもきっとその辺りをすごく柔軟に、どっちにだって振れるように設計している気もする。
つまり、ステップとしてはこうだ。まずは兎に角ユーザーベースで天下を制す。Twitterのネットワーク効果をとにかく潰す。ネットワーク効果で初速を生むために、インスタベースでローンチ。既存の20億ものユーザーベースでもってとにかくインスタからの流入を最大化し、一気に地盤を固める。何せ、世界の人口の4分の1もの人が使ってると言われてるわけで、この中国よりもインドよりも多い人口を抱える、巨大プラットフォームのベースを使わない手はない。そしてケージファイトでもマークがイーロンを叩きつけ、No.1 テキストソーシャルの地位を確固たるものにする。(ほんとにやるの?)地盤がためまでは徹底的にユーザーの嫌がることはやらない。課金とか広告は持ってのほか。
そして、王国の繁栄。色が出てくるのはここから。天下を取ってしまえば、あとは、より流れに任せていろんな王政を行うことができる。より自由にいろんな人がポストしやすくなるようシフトするために、現実世界のソーシャルグラフから、匿名性も取り入れたプラットフォームへ進化。インスタとの連携も徐々に切り離すのか、オプションになる。課金なのか、広告なのかが出てくるのはここからだろう。Oculusとも連携したり、魅せ方にも新たな展開があるかもしれない。そこからは独自の世界観が自然と成り立っていく。ある程度ベースを獲得したら、今後は徐々にインスタと切り離して、Twitter寄りにしていくことで、民族大移動が、気づいたら完結している。これがマークザッカーバーグの目論見なんじゃないか。よくある、我々のアプリのポジショニングはここです!この空いたスポットを狙うんです!みたいなことじゃなくて、ポジションどりをしたたかに、柔軟に変えていくんじゃないか。僕は勝手にそう思ってる。実際、ザッカーバーグも、著名な投資家の「ザックは、Threadの全ユーザーに広告を投下する時をよだれを垂らして待っている」という内容に返信して彼はこう返信している。
「私たちのアプローチは他のすべてのプロダクトと同じく、まずプロダクトがうまく機能するようなってから、つまり10億人に確実に使ってもらってから、その時点で収益化について考える」
10億人。なんだこの不気味な余裕は。Facebookの最初期の投資家向けのスライドには、初めから広告で優秀な学生のコミュニティに広告を出せるんです!とそれを売りにしている。(METAにもこんな時代があったのね的な懐古的感覚で、楽しめるスライドなので興味あるひとは是非下のリンクから見てほしい。)今のマークは、しばらくは広告なんてなくていい、むしろプロダクトを磨き上げるのだ!と宣言している。この余裕はどこからくるのか。数々のソーシャルを運営してきた先に見えた、仙人にしか見えない景色なのか。
https://www.failory.com/pitch-deck/facebook
しかも今回、収益は広告ベースになるとも今のところ全く言っていない。でも一方でこれまでのソーシャルメディアはほとんど広告でしか、儲けてこれていない。しかもターゲティングの精度をプロファイル情報をもとに上げに上げることでしか、収益を増やせてこなかった。また同じビジネスモデルにするしかないのか。それとも?全く新しい何かなのか。本当の意味でのエコシステムを作りたいと思うなら、ユーザーも、開発者も、広告主がいるなら彼らも、三方よしのやり方でないと、民の声にちゃんと耳を傾けられる王でないと、王国は存続しない。
加えて王国を永続させて行くのに必要なもの。それは開発者のエコシステムへの関わり方だ。メタも開発者をもっと自社のエコシステムにオンボードさせて、Appleのような寡占のエコシステムに対抗できるようにしたいと思っているはず。にもかかわらず、これまでは、Facebook然りInstagram然り、外部の開発者を取り込むためにAPIを公開したり、あまりしてこなかった気がする。開発者を巻き込んで、周辺サービスを充実させて行くことで自然とそのエコシステムが大きくなっていく。イーロンマスクはAPIを高額にして、元々の考えを変えてしまったけど、Twitterが元々伸びたのはこの辺が大きい。(もはや歳がバレるけど、公式アプリじゃなく、みんなEchofonとかでツイートしてた時代があった。)どれだけThreadsのカルチャーをオープンにできるか。マークザッカーバーグの根源的な人としての考え方によるところも大いにあるかもしれない。
元々ハーバードのクローズドコミュニティから始まり、エリートたちの大学コミュニティを束ねていく形がベースとなって大きくなってきた会社Metaと、玉石混交で匿名性が強くオープンな誰でもこさいのプラットフォームのアプリ(イーロンの元若干方針は変わりつつあるとはいえ)、この二つにはどこまでもカルチャーが根ざすということなのかもしれない。噂には社内の体制だってマーク絶対王のもと、ワンマン経営だとも聞く。これを期に、よりオープンで、フラットなプラットフォームを社内外ともに築こうとしているのならばそれは歓迎に値する気がする。ただし、これまでのプライベート情報の収集で行ってきた中央集権型のビジネスと、それをよりオープンに非中央集権化していく間には、大きな大きな隔たりがあるのも事実。マークのこの選民エリート思考からの脱却はあるのか。いずれにしてもその動向をTwitterとTreadsを行ったり来たりの毎日の中で見極めて行くしかない。
かくゆう僕らも株式投資がベースではあるけれども、ソーシャルネットワークを運営している。
今回の騒動?は改めて、ソーシャルとは何かを考えるいい機会であったように思う。ソーシャルネットワークは再発明されないといけない時期にきていると。多かれ少なかれ、見た目や機能の違いはあれど、結局のところ、どのソーシャルもほぼ同じ見た目をしている。タイムラインと呼ばれるそれは、どこでも変わっていない。正直に言って僕らのwoodstock.clubだって、同じく似たようなタイムラインをベースにしている。
https://twitter.com/asallen/status/1676986613501419521
人と人を繋ぐ正しい形は何だろう。タイムライン以外の発明はあるのか。
そもそもなぜ、僕らは人とコミュニケーションするんだろう。
そもそもなぜ、僕らは、我先にとスクープをポストするんだろう。
そもそもなぜ、僕らは、新しい美味しいお店をいち早く人に教えたくなるんだろう。
そもそもなぜ、僕らは、着飾った格好をみんなに見てもらいたいんだろう。
そもそもなぜ、僕らは、このメンバー濃すぎ!って自分達の仲間を自慢したいんだろう。
そもそもなぜ。
それをもう一回考えないといけないのかもしれない。
でも、一方でこんな気持ちにもなった。それは人は結局のところ一人では生きられなくて、
結局のところ、誰かの話を聞いて、誰かに話したくて、その気持ちと気持ちが糸のようの織りあったり、独り言のようにつぶやいたり、僕らのようにお互いのポートフォリオを見せ合ってあーだこーだ言ってみたり、どんな形であれ、まだまだ繋がっていたいのだ。
どんなにVRでメタがヴァースするような世の中になっても、AIがセルフィーを美しくデフォルメしてくれても、ChatGPTが整然とした美しい文章を一瞬でしたためてくれても、どこまでいったって僕ら人間は、その言の葉の向こうに、そのスクリーンの向こうに、やんわりとぬるい感情の塊のようなものの存在を求めているのだ。その存在の確認作業の増幅装置としてのソーシャルであるべきなのだ。それに少し安心もした。
AIには絶対に書けそうも無い、まとまりのない文章をとめどなくしたためてしまった。これが自分らしいスタイルと信じて。初めてのWeeklyBitesに寄せて。
P. S. あ、大事なことを言い忘れた。WoodstockのThreadsアカウントはこちらです。我々惑いながら、色々ポストしてみます。
https://www.threads.net/@woodstock.club
#みんなのトレード
Woodstock.clubアプリ上で、先週(7/3-7/9)売買された銘柄ランキングはこれだ!