目次
#Company Update
Woodstockが先週(2/26-3/4)行ったアップデートをお届けします!
アプリの新バージョン1.1.7をリリースしました!今回のリリースで新しくなった主な点は、以下の通りです。
#1 LIVE TRADES 機能をリリース!
リアルタイムでみんなのトレードをみていただけます。
#2 気になるユーザーの取引をフォロー
他の気になるユーザーの取引をフォローして、通知を受け取り、売り買いのタイミングの参考にしていただけます。
#3 タイムラインの読み込み速度を改善
タイムラインの速度が改善しました。
#みんなのトレード
Woodstock.clubアプリ上で、先週(2/26-3/4)売買された銘柄ランキングはこれだ!
#直近の決算
先週も多くの企業から決算発表がありました。ここではwoodstock.clubで取り上げたいくつかの決算のまとめについて改めて、ご紹介しておきます。
(BEAT!は、決算が予想よりもよかった時、MISS...は予想より悪かった時、INLINEは予想通りだった時をそれぞれ意味しています。)
Twitterで決算の詳細を見よう!🐦






#気になるトピック
今週はマーケット全体の動きと、その中での個別の企業の動き方について、セールスフォースの例をあげて、取り上げてみました。
#1 インフレはどこまで?
インフレはまだまだ終わっていません。事実、2年債と10年債の利回りは急騰しています。2023年2月末の2年債利回りは4.81%で、2月1日の4.1%から比べてみても大きく上昇している状況となりました。
(注:一般的に景気が良くなり、さらに過熱していくと、旺盛な需要に供給が追い付かなくなるため、物価は上昇します。 そこで、中央銀行が金利を引き上げることで、つまり、2年物国債利回り、10年債などの利回りが上がることで、投資や消費の熱を冷ませて過熱した景気を抑えにいくのです。)
2月初めの国債利回りが4.1%だったというのは、市場関係者が”FRBは次の数回は小幅な利上げに留めることで、政策金利の到着水準、いわゆるターミナルレートのピークをある程度抑えられるのでは?”と楽観視していたということを示しています。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は基準金利を25bps引き上げた後の記者会見の中で、FRBはあと2、3回の利上げしか考えていないと述べ、これは考えうる中ではかなりハト派(景気刺激に前向きで金融緩和的な政策を支持する傾向がある人のこと。)的なメッセージでした。そしてその後、株価は上昇に転じました。
しかしその後発表された、1月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比6.4%と予想の6.2%を上回り、PCE(FRBが好むインフレ指標, 個人消費支出)も予想を上回る結果となりました。PCEコア指標(食品・燃料価格を除いた指標)も前年同月比4.7%増と予想を0.3%上回わる結果になりました。この予想を上回るインフレ結果と、堅調な労働市場とを受けて、市場関係者は再び、次回の利上げがより急ピッチになるのではないかと(例えば、25bpsから50bpsになるなど)考えています。そして、2年債利回りの上昇も、2023年の残りの期間で利下げが行われる可能性が極めて低いことを示唆していると考えられます。
FEDは「ソフトランディング(好景気が最終段階を迎え調整に入ったとき、成長の速度を少しずつ低下させること)」を慎重に行おうとしているようです。FEDは、雇用市場の回復力が非常に高いことを考えると景気後退は考えにくいので、たとえ過剰であったとしても、インフレが再加速しないように利上げを実施すると思われます。
結局のところ、これらのことは何を意味するのでしょうか?私たちは次のように考えています。
しばらくは高金利・高インフレの環境が続くのではないでしょうか。企業は、キャッシュフローを生み出し、マージンを増やし、資本配分とプロジェクトの選択をすることが求められています。ただ、大企業には収益向上のための最適化というプレッシャーがかかる一方で、より小規模なプレーヤーにとっては新しい取り組みやイノベーションを行うチャンスとなるかもしれません。例えば、$CRM(Salesforce)と$VEEV(Veeva Systems)は、その良い例かと思います。次のトピックで見てみましょう。
#2 セールスフォースの決算発表
セールスフォースの株価は、収益とEPSが市場予想を上回ったことで決算後に14%上昇しました。2024年の好調な営業利益予想を発表し、さらには自社株買い計画も発表しました。セールスフォースはこれからどうなっていくのでしょうか。
セールスフォースはここのところ、大きなプレッシャーに晒されていました。元共同CEOのブレット・テイラー氏をはじめ、多くの幹部が同社を去り、最近ではアクティビスト投資家がレイオフや利益率の改善を要求しているのです。ただ、セールスフォースは、これらの要求に対して、今のところは好調な業績を示せているようです。
参考記事: https://thestack.technology/salesforce-ceos-leave/
最近の注目すべき出来事の一つとして、Veeva Systems ($VEEV - ライフサイエンス業界向けクラウドソフトウェアプロバイダー)がセールスフォースプラットフォームからの離脱を決定したというニュースがあります。今後も、Veevaのようにセールスフォースとの決別を決断する企業が増えるのでしょうか。まず、Veeva Systemsの今回の背景とセールスフォースとの関係性についてみてみましょう。
" Veeva Systemsは、2007年にCEOのPeter Gassner氏によって共同設立されました。ガスナー氏は2003年から2005年までセールスフォースに在籍し、現在もクラウド型顧客関係管理(CRM)基盤ソフトの中核の構築に貢献してきました。ライフサイエンス業界向けのCRMとしてVeevaを立ち上げる際、ガスナーはバックエンドのデータインフラを整えるために、自分自身が構築したセールスフォースのプラットフォームと提携したのです。その代わり、Veeva CRMはライフサイエンス業界におけるセールスフォースのリファラルパートナー(販売代理店)となりました。”
しかし、Veevaが年商数十億ドルの大企業となった今、その売上原価、すなわちクラウドサービス(たとえばAWSとかSalesforce)への支払いは非常に大きくなってきています。同社は、セールスフォースとの現在の契約は2025年9月に切れるものの、更新する予定はないと発表しています。その代わりに、Veeva CRMのバックエンドのクラウド管理を、Veeva Vaultと呼ぶ独自の新しいクラウドプラットフォームとアプリケーションに移行する予定とのことです。
Veevaの損益計算書を見てみると、サブスクリプションサービスのコスト(2023年度末で2億5700万ドル)は、総収入の約12%に相当します。長期的なコストを削減し、粗利益率を向上させるために、Veevaが独自のクラウドプラットフォームへの投資を開始することは理にかなっているといえます。トップラインとボトムラインの両方で素晴らしい成長軌道に乗ってきているので、同社に今投資することも正しい判断に思えます
では、セールスフォースはどうでしょうか。Veevaとの提携が終わった今、ライフサイエンス向けCRMの構築に投資し、Veevaに対抗する余裕があるのでしょうか。この環境下でのプレッシャーや利益率の期待値を考えると、難しいのではないでしょうか。トピック1の最後の段落で指摘したように、高金利の環境においては、大手企業が資本やリソースの配分を十分に割くことができないため、より小規模なプレーヤーこそが市場を構築し、マーケットを獲得していく良い機会になるのかもしれません。
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